すでにバカンスシーズン半ばを超えて先月の記録的な猛暑が嘘のように冷え込むパリから…。

Fete de la musique Paris 2018
毎年6月21日にフランス中で行われるフェット・ド・ラ・ミュジック【Fete de la Musique】(音楽祭)について聞いたことがある、行ったことがある人も多いのではないでしょうか。
夏の到来を祝うかのよう昼夜を問わず街中が音楽であふれる6月恒例のイベント。
この日、フランスの地方都市ナントで、明け方に治安部隊の介入を受けて帰らぬ人となった24歳の青年スティーブの事件について記事にしたいと思います。
前半はフランス紙『Le Monde Diplomatheque』仏語版のブログ記事から抜粋して翻訳。
内容は、中道の立場をとるマクロン政権における民主主義と警察のうそ、
肥大した権力に対する批判。
後半では事件の経緯についてビデオ映像とともにまとめました。
スティーブはどこ?
信じ難いことだが、信じるしかない。
マクロンのフランスでは、パーティーへ行くと、帰らぬ人となるかもしれない。
マクロンのフランスでは警察がすべての権力を握っている。
デモ抗議者を失明させ、パーティー参加者は水死体として発見される。
実際、こうした権力による事件の発覚は後を断たない。
本質を見つけるか、それとも明らかにするか?
ここでは、新自由主義的な権力の本質としてのマクロニズム、
つまり、資本がすべての火を起こす場合の資本国家。
多くの場合、本質は最初の行動、ここでは最も真実が託された”知事の行動”が示している。
ナントの介入は「比例的(均等)に」行われた。
ここでは、マクロニズムの下で有効な比率について進言する。
1つのパーティーと1人の死。
「黄色いベスト」1行動につき、非常に多くの失明者。
よく知られていることだが、制度の本質が嘘をつく。
なぜなら、制度はサービスを提供する人々のためのものではない。
制度は制度自身のためにあり、本来の目的のためにあるわけではない。
忍耐が嘘を必要とするなら嘘をつき、また、制度は権力の場であるため、
多くのことが必要になる。
だから多くの嘘をつく。
ただし、そこには歴史的なバリエーションがある。
信憑性が崩れると、制度は慢性的に、そして甚だしく嘘を訴え始める。
頻度だけでなく嘘の大きさは、悲劇的でグロテスクなマクロニズムの典型として卑劣に成長し続ける。
たとえば、ジュヌヴィエーヴ・ルゲ(Geneviève Legay/73歳)(1)の場合。
もちろん嘘をついた検察官に対して、ビデオは真実を示した。
当然メディアがそれを裏付けた。(報道しただけで、より客観的だ)
全ての議論は、ジュヌヴィエーヴ・ルゲが『警察とコンタクト(接触)があったか』否かという疑問について行われた。
ひどい虐待のない世界の言葉では「コンタクトをとる」とは、「言葉で自己紹介した」ことなどを意味する。
しかしマクロンの警察では、自己紹介は盾を介在して行われる。
盾、または警棒で連絡が取られるのだ。
(LBD催涙弾の発砲、それは別ものだ。そこには距離があり、さらに口火を切らなければならない。)
これが今我々のいる場所。
スティーブの遺体が発見された時すでに懸念されたのは、
法医学鑑定が彼の死因を飲酒、または何らかの物質の使用による溺死として結論付けること。
もう忘れられているが、全身感染(検察官)か400メートルを20分間走ったこと(国家医療鑑定)が死因とされた「アダマ・トラオレ」(ADAMA TRAORE)のケースと同様である。
我々はまた、同心円上に放射状の広がる嘘の周囲への広がりを計測した。
大統領: 「警察による暴力はありません」
内務大臣: 「警察による暴力はありません」
それゆえ必然的にTF1の従業員も 「重傷者はいない」と言い
論理的に知事、検察、国家警察検査官らも 「警察の暴力はありません」と言う。
そして、古き良き時代のようにパリの公立病院は何もなかったことにして
警察のでっち上げを記録、ファイルを警察に届けないと約束する。

Fete de la musique Paris 2019
2018年5月、New York Timesで政治学者が発表したコラムは
幅広く様々な国で
『中道』派の有権者は民主主義の価値観に最も懐疑的で
必要に応じて、特に、選挙やマスコミを含む特徴的な機関を解散させて
独裁政権を支持する可能性が最も高かった
と明かにして大きな混乱を招いた。
そして、これは極右と極左よりも大きな割合だ。
『中道』には頭がおかしなマクロン、ビーチのチンピラ・カスタネル(内相)、
そしてフィリップ(主相)がいる。
マクロニズムはこの著しく非民主的な風潮の「民主主義」の完全な放射物、
すべての立場を支持しながらどこまで行くべきかと自問するマスコミが
何十年も祝ってきた『中道』最初の分離である。
『中道の共和国』、慰めの合理的なエデンと都市のプラグマティズムは
30年後、完全に取り乱した裕福なブルジョワジーの真の顔を隠すため
かつて、ロザンバロン、フュレ、ジュリアードによって賞賛された。
『中道の共和国』はLBD弾薬の在庫の補充を担い、
本来よりもはるかに多くの在庫を持つ警察官を支持する。
もちろんすべての権限で、内部階層構造のパワーバランスは完全に逆転。
自身を維持することをやめた政府は、
もはや必然的に警察の手に委ねられる。
支配者の自発的な傾向に、彼らのポジションを脅し取る警官の手段が加わる。
したがって「警察による暴力は存在しない」。
スティーブはどこですか?わかりません。気にしません。
2019年7月15日 フレデリック・ロードン
Le Monde Diplomatheque仏語版
【検証】警察の残虐行為とマクロニズム【マクロン政権】

■フランスの国会議員たちが警察側の過剰な武力行使に警告。
■彼らはこれを法治国家に対する脅威とみなす。
フランス中で音楽祭が祝われたその日、スティーブ・カニソはロワール川の中に姿を消した。
音楽祭の夜、テクノダンスを踊りに出かけた24歳の青年は
治安部隊の突撃で、ロワール川の渦の中に沈み帰らぬ人となる。
事件発生から38日が経過した7月29日夕方、
スティーブは現場から600メートル離れた川に浮かぶ遺体となって発見された。
スティーブの転落は偶然ではない。
避難中に撮影されたビデオは警察の残虐行為を示すぞっとするようなものだった。
『川の中に人がいる!』
パーティの酔っ払いに浴びせられた催涙ガスの雲の中に
手榴弾の閃光、警棒、盾が映っている。
何よりも衝撃的なのは、若者が警察に向かって絶望的に叫んでいること。
後ろにロワール川がある!
水に落ちた人がいます!
後ろに川がある!
悲劇になるから、やめて!
彼らのうち14人が警察の突撃に追い詰められ、川へ落ちた。
スティーブは泳げなかった。
自業自得?
友達と一緒に楽しいパーティーを後30分続けたいと思ったことが…?
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