【愚か者の戦術】 恐怖の歯車の中で【11月13日パリ同時多発テロ事件】

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■11月13日にパリで起こったテロ事件が、ほんの数週間前のこととは思えないくらいに、パリではあたりまえの日々が続いています。

■2015年1月のシャーリー・エブド事件以来、そして11月13日のパリ同時多発テロ事件以来、今までとは確実に何かがちがう、内から、静かに、少しずつ何かがかわってきている、そんなことを強く感じる今日このごろです。

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【愚か者の戦術】 恐怖の歯車の中で【11月13日パリ同時多発テロ事件】

イスラム国組織(OEI)が犯行を主張する11月13日にパリで起きたテロ事件は、欧米の中東への関与を強化させた。

この地域への武力介入が宣告されたのである。

しかし、米国からロシア、イランからトルコにわたる数十カ国が同意する「シリアとイラクにおけるイスラム国組織(OEI)」の軍事破壊が目的である場合、それ以外の全ては分離することになる。

2002年10月2日、イリノイ州から選出されたバラック・オバマという男は言った。

私はすべての戦争に反対しているわけではありません。
私は愚かな戦争、軽率な戦争、理由のない、しかし怒りにもとづいた戦争には反対なのです。


そのころ米国では、2001年9月11日の攻撃「9.11」に対する一連の「怒り」が鎮まらなかった。

ジョージ・W・ブッシュ大統領はその半年後、アルカイダ部隊のほとんどのメンバーが拠点としていたサウジアラビアではなく、イラクに矛先を向けて攻撃を開始。

メディアは戦争をしたがっていた。

ヒラリー・クリントンを含むほとんどの民主党上院議員がそれに加わった。

そして「イラク侵攻」が生んだ混乱は「イスラム国組織(OEI)」を養成する役割をはたした。

2015年11月13日の「パリの殺害事件」はイスラム国組織の主に2つの目的を遂行する過程にあった。

イスラム国組織の2つの目的とは:

①「リビアでの戦い」を始めるために「イラクとシリアでの戦い」へ赴く『異教徒』『背教者』『反シーア派』連合を結成すること。

②欧米人の大半に、同国人のイスラム教徒(フランス・ベルギー国籍のムスリム)は、殺し屋の影に潜む『第五部隊』 (スパイ行為や敵国の進撃を助ける裏切り者軍団)であり『国内の敵』だと信じこませること。

戦争と恐怖:

このような黙示録的な目標は合理的だ。

ジハディスト(聖戦主義者)は、イラクの地方をコントロールするシリアの街を「十字軍」と「多神教徒」が爆撃する可能性があると予測していた。

しかし、彼らがアラブの地を継続的に支配することは決してないだろう。

そればかりかイスラム国組織(OEI)はヨーロッパでの攻撃が、欧州のイスラム教徒に対する不信感を焚きつけ、また、それに対する警察の介入が一般化することをのぞんでいる。

そのようなことは、彼ら(イスラム教徒)の憤りを倍増させてイスラム国指導者であるカリフの仲間入りをするようにしむけることになる。

2015年12月、セルジュ・アリミ L’art de la guerre imbécile

注釈:
OEI : Organisation Etat Islamiqueの略でイスラム国組織のこと。
フランスでは他に Etat islamique(エタ・イスラミック)、Daech(ダーエッシュ)などと呼ばれる。

最後に

以上、フランス語版ルモンド・ディプロマティック12月号一面からご紹介しました。

著者セルジュ・アリミは、犯行グループについて『État Islamique』(イスラム国)というかわりに『Organisation État Islamique』(イスラム国組織/機関)とし、一連の事件について 『le terrorisme』(テロリズム) または、『les attentats』(攻撃)というかわりに『les tueries』(殺害)という言葉を使っています。

これは、犯行を主張する過激派グループISIS(IS)を、彼らが主張するような国家としては認めずに組織としてあつかい、政治的な目的をもったテロとは区別していることが読みとれますね。

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