【シャーリー・エブド事件】デモに参加した「報道の自由」の奇妙な擁護者【Je suis Charlie?】

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フランスのウイークリー新聞「シャーリー・エブドの編集社が襲撃された1月7日の事件」からちょうど二ヶ月が経ちました。

本記事ではシャーリー・エブド事件から「報道の自由」について深掘りします。

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【シャーリー・エブド】のデモに参加した”報道の自由”の奇妙な擁護者

2015年1月12日、アラン・グレッシュ

(フランス語原文右矢印http://blog.mondediplo.net/2015-01-12-D-etranges-defenseurs-de-la-liberte-de-la-presse)

シャーリー・エブドの襲撃事件後、1月10日(土)と11日(日)にフランス中で何百万人という人がデモ行進をした。

参加者は死者達への強い感情だけでなく、報道の自由へのコミットメントを表明。

しかしこの祭典は、日曜日に先頭にいた「世界中の政治家たちの存在」が「やや曖昧な報道の自由」を求めるデモ行進に汚点を残したと言える。

ここでは20年前に始まった対テロ戦争とその結果、アラブ·イスラム世界にさらに多くのテロや混乱がもたらされたこと、とりわけ欧米諸国の指導者たちの直接責任については議論しない。

2014年10月号の『対テロ戦争第三幕』から最も象徴的な出来事をいくつか引用する。

パリで行われた『共和国のデモ行進』については、ジャーナリストやブロガーが日常的に弾圧を受けているエジプト、ロシア、トルコ、アルジェリアやアラブ首長国連邦らの政治指導者たちに憤慨する『国境なき新聞記者(RSF)』から始めてみよう。

「RSF」が公開した『世界・報道の自由ランキング』によると、これらの国は180カ国中それぞれ159位(エジプト)、148位(ロシア)、154位(トルコ)、121位(アルジェリア)、118位(アラブ首長国連邦)である。

エジプトでは、1年以上投獄されているテレビチャンネル・アルジャジーラの3人のジャーナリストの他に数十人が拘束されている。(2014年7月3日、ワーダ・モハメッド、中東XXI「エジプト対ジャーナリズム戦争開始」参照)。

私自身は、拘置所で一年以上裁判を待つ間に、4通のメッセージ(アブダラ・ファクラニの物を含む)を受け取った。

エジプトの外務大臣がパリのリパブリック広場を行進したその日、裁判所はそのエジプト人に対して無神論者であることを理由に、懲役3年の刑を宣告した。

仏紙『20 minutes』のウエブサイトによると、『モロッコの外務省はイベントへの出席を発表した。しかしこのイベントの最中に、預言者の漫画表現がある場合には(PBUH ; 彼に平安あれ)外務大臣及び関係者、その他全てのモロッコ公人は参加しない意思を表明した。』

トルコはここ数カ月の間に「プレスへの弾圧」を強化している。[1]

エルドアン大統領は、国境なき記者団(RSF)が発表した2014年のレポートを受けて、ジャーナリストに対する暴力を激しく非難した。

『この組織は、事務局長クリストフ・ドロワールはエルドアン氏が今年トルコで記録された117例ものジャーナリストへの暴行や脅迫について詳細を保持していると指摘。RSFは、その結論が実現可能で正確な方法論に基づいた、公平で独立した組織であることを明確にしなければならないのか?(…)RSFに対する非難は、大統領にとって喜ばしくないトルコのジャーナリストに向けられた多元性と同様の敵意を共有する。』

ベンヤミン·ネタニヤフの訪問については、戦犯(と推定される)イスラエル首相と、可能ならさらに極右のイスラエルの大臣たちである。

イスラエル紙『ハアレツ』が1月12日に掲載した記事の中で、イスラエル人イラストレーターのイド・アミンが「イスラエルでは、シャ-リー・エブドは存在する権利さえ持たないだろう」として、シャ-リー・エブドのような新聞がイスラエルに存在しえないことに言及した。

ガザで殺害された人々は言うまでもなく、パレスチナで投獄されたジャーナリストはイスラエル産の「報道の自由」を証言する。

シャーリー・エブドへの襲撃が非難されることは重要であり、デモの主催者を称するいかなる者にとっても彼らのような政治家の存在は侮辱である。

注釈:

※Reporters Sans Frontières(国境なき記者団):
言論の自由、報道の自由を擁護するために、1985年にパリで設立されたジャーナリストによる国際的な非政府組織。現在世界に130の支部をかまえる。創立者ロベール・メナール著「戦うジャーナリストたち、国境なき記者団の挑戦」は岩波書店より出版されている。
公式サイト:http://www.rsf.org

※Haaretz(ハアレツ):
イスラエルの新聞。中道左派で、労働党に近いとされるが全体的にはシオニズムに属し、パレスチナ側に立ったポスト・シオニストの観点もみられる。
公式サイト:http://www.haaretz.com/

最後に

今回の事件は、パリに住む人々にとって身近で起こった、本当に、本当に、大きな出来事でした。

情報の流れが速くなり、人々の流れがよりボーダレスになりつつある国際社会において、パリはヨーロッパ、アフリカ、中東諸国との関係性による地政学的リスクと不安定な情勢の影響を、真っ先に受けやすい都市といえるかもしれません。

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