暖かい穏やかな気候が続いています。
今年は冷夏で、8月のパリはとても寒かっただけにありがたいです。
さて、個人データーの流出・流用といった事件が増えていますが、本記事では『インターネットに接続された家電』について見ていきたいと思います。
【ネット接続型スマート歯ブラシ】デジタルユートピアから社会的ショックまで

人類が初めて月面に足を踏み出して以来45年の歳月を経て、技術競争はこの1月、特異な経路をたどる。
インターネットに接続された冷蔵庫が突然大量の迷惑メールを送信したのだ。
民俗学を超えて、日常生活のデジタル化はシリコンバレーの素晴らしい約束とは対照的な経済モデルを生み出した。
オーラルB社(プロクター·アンド·ギャンブルP&G子会社)が今年発売したインタラクティブ電動歯ブラシは、『接続されたバスルーム』の確かな主役だ。
ワイヤレスで携帯電話にログインして相互作用し、アプリが画面上で私たちの口腔内を示してブラッシングの進行を追尾するという。
私たちは十分な勢いでブラッシング、フロッシングや舌磨きをし、またすすぎ残し等はないだろうか?

製品のゴールは優れている。
この《ネット接続された歯ブラシ》専用サイトが誇らしげに示すように、ブラッシング活動のデータセットを変換してグラフを表示したり、専門家と共有することができる。
今後、こうしたデータにより何が起こるかはまだ論争中だ。
個人専用に利用し続けるのか?
このようなデータはプロの歯科医師の手に渡り、または保険会社に売却されるのだろうか?
すでにFacebookとGoogleが獲得した情報の流れに加えられるのだろうか ?

浴室の『インテリジェント』歯ブラシから冷蔵庫まで、最もありふれた家電製品に記録された個人データが、お金に変わるかもしれないという突然の認識から、シリコンバレーの巨人が推進するロジックに非難の声が上がった。
これらの企業は、インターネットユーザーが頻繁にアクセスするサイト上に残した痕跡を大規模に収集して、自分のアカウントで使用したり、 広告主や別の企業に販売している。
我々ユーザーが無料サービスにアクセスするだけで、彼らは数十億ドルをかき集める。
大衆的な意味合いで出現した奇妙な批判に対抗して大企業の独占に挑戦し、声を上げて、多数の小さな起業家と入れ替えようじゃないか。
私たち各自が自分たちのデータのポートフォリオから利益を得ることができるのだから。
2014年4月、エフゲニー·モロゾフ
仏語原文http://www.monde-diplomatique.fr/2014/08/MOROZOV/50714
コメント【インターネットに接続された家電とネットセキュリティ】

近年、ファイル共有機能等のインターネット技術を搭載したオフィス機器や家電製品が増えており、インターネットに接続された機器は2009年の9億台から2020年には260億台に達すると予測されています。
その数は、約3倍です!
米国のセキュリティ企業プルーフポイントは、去年の年末から今年1月にかけて、ネットに接続された10万を超える家電から、75万通以上の悪質な電子メールが企業や個人宛に送信されたと発表しました。
家電のネット接続に比例してセキュリティ被害も一気に増加し、個人情報から莫大な利益を得る企業の存在を認識する必要があるようです。
個人データの管理には十分に気を付けたいですね。
最後に【パリ暮らしについて】

掲載した画像はパリ16区、Jardin du Ranelagh(ラヌラグ公園)とブローニュの森です。
公園にある17世紀フランスの寓話作家Jean de la Fontaine(ジャ ン・ド・ラ・フォンテーヌ)の像は《カラスとキツネ》の話がモチーフになっています。
公園のそばにあるマルモッタン美術館ではモネの代表的な作品を多数観る事ができ、パリの中では落ち着いたとても素敵な場所です。
渡仏から、今日でちょうど9年が経過しました。
このブログを書き始めて足掛けで8年半になります。
まさかこんなに長く自分がパリにいる事になるとは思ってもみませんでしたが、月日が経つのは本当に早いです。
9年目のパリ暮らし、アクティブで有意義な毎日をおくりたいと思います。
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