【フランスのコロナ】Covid-19 今すぐ生活を変えて!【新型コロナでフランスが封鎖】

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3月の終わりには全世界で30億人近くの住民が試練の中に閉じ込められました。

新型コロナウイルスの危機は、デジタル資本主義への最期の抵抗を一掃し、非接触型社会の到来を予期するリハーサルなのか…。

少なくともこの危機は、私たちの存続にとって生涯忘れることのできない最初の地球規模の脅威になることは間違いないでしょう。

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5月11日に外出禁止が解かれることが決まったフランスから、本記事前半ではコロナウイルスへのグローバルな論考を紹介。

後半はフランスのコロナのリアル、さらに医療崩壊しなかった国々についてまとめました。

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【フランスとコロナ】Covid-19 今すぐ生活を変えて!【封鎖生活】

コロナの悲劇が終わったらすべては元に戻るのか?

この30年間、危機のたびに世界が理性に立ち返り、悟りを開いて狂気を終わらせるという理不尽な希望を抱いてきた。私たちは”封鎖”によって、その後の行き詰まりと危険をはらんだ社会政治的ダイナミクスが逆転することを信じた。

1987年の株式市場暴落が民営化の暴走を終わらせて、1997年と2007-08年の金融危機が幸せなグローバリゼーションを止めることを望んだ。しかしそうはならなかった。

9/11の同時多発テロは米国の傲慢さへの批判と、狂ったように問いかけた。「なぜ彼らは私たちを憎むのですか?」しかしそれも続かなかった。

私たちのほとんどは、戦争、軍事クーデター、そしてロックダウンを直接経験していない。しかし3月の終わりには、全世界ですでに30億人近くの住民が試練の中に閉じ込められた。彼らのほとんどは、田舎の別荘の周りに咲く椿を観察する作家などではなかった。

今後数週間で何が起こっても、新型コロナウイルスの危機は私たちの存続にとって、忘れられない最初の地球規模の脅威になるだろう。政治家は少なくともその事を考慮に入れなければならない。

欧州連合は予算ルールを一時停止した。エマニュエル・マクロン大統領は年金改革を延期し、病院スタッフにペナルティを課すことになった。米国議会は、ほぼ全てのアメリカ人に$ 1,200の小切手を送るよう投票した。

しかし、すでに10年以上前に新自由主義者たちは債務の劇的な増加、財政刺激策、銀行の国有化、資本管理の部分的な回復に同意した。緊縮政策により、彼らは世界的恐慌の間に手放したすべてのものを取り戻し、さらにいくつかの「進歩」を達成した。

従業員は今後、より不安定な状況下でより長く頑張って働き 「投資家」と金利生活者が払う税金はより少なくなるだろう。

ギリシャの公立病院では資金と薬が不足し、根絶したと思っていた病気の復活により大きな代償を支払った。

全面的な見直しへの道と思われることが、実は「衝撃の戦略」につながることがある。2001年の「9.11」で、ワールド・トレード・センターが攻撃された数時間後、ある英国政府の大臣の特別顧問が、次のようなメモを回覧した。

今日は、私たちが実行すべきすべての事を、こっそりこなすのに絶好の日です。 」彼女は、イラク戦争や英米企業がもたらすであろう災害はおろか、テロとの戦いの名の下に公共の自由に課せられるであろう制限についても、考えていなかったのかもしれない。

« Restez chez vous » (家にいなさい)や「distancing」(人との距離をおく)という指示に加えて、急速に進む社会のデジタル化によって、私たちの社交性は混乱する恐れがある。

衛生緊急事態」は、「インターネットなしで生きていくことは可能か」という問いをより切迫したものにするか、まったく無関係なものにするかのどちらかになるだろう。

フランスでは、誰もが身分証明書を常に携帯しなければならないが、まもなく携帯電話は便利なだけでなく、市民を監視するための必須アイテムになるだろう。

また、紙幣や硬貨は感染症を媒介する可能性があるため、今やクレジットカードやデビットカードが公衆衛生を保障する。また、すべての購入品をリスト化し、記録し、アーカイブすることも可能になるだろう。

中国の「監視資本主義社会」に見られるように、「匿名性への不可侵の権利の退歩」は、私たちの意識と生活の一部になりつつある。私たちの唯一の反応は、素朴な驚きである。

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デジタル資本主義への最期の抵抗を一掃し非接触型社会が到来する

新型コロナウイルスが登場する以前から、フランスでは個人情報を提供せずに列車に乗ることはできない。

オンラインで銀行口座にアクセスするには、銀行に携帯電話番号を教えなければならないし、散歩に出れば、確実に監視カメラに映っている。そしてこの「衛生危機」により、新しい一歩が踏み出された。

パリでは、ドローンが立ち入り禁止区域を監視している。韓国では、地域社会に危険をもたらすような体温の人がいると、センサーが当局に警告を発する。ポーランドでは、自己隔離中の人々は、自宅にいることを確認するために携帯電話にアプリをインストールしなければならず、あるいは抜き打ちの警察の訪問を我慢しなければならない。国民は危機的状況下での監視対策を広く支持しているが、その対策によって危機を乗り切っているともいえる。

来るべき経済革命は、自由がさらに制限される世界になるだろう。 何百万もの食品店、カフェ、映画館、書店が感染を防ぐために世界中で閉店している。

彼らは宅配もできず、デジタル製品の販売にも恵まれていない。 危機が終わればどれだけの店が再開し、どのような状態になるのだろうか。

何十万人もの配送ドライバーや倉庫スタッフを雇用しているアマゾンや、15万人の「アソシエイツ」を雇用するウォルマートのような流通大手の方が見通しは明るい。彼らほど私たちの嗜好や選択をよく理解している人はいるだろうか?

コロナ危機は、デジタル資本主義への最後の抵抗を一掃し、人と人との接触のない社会の到来へのリハーサルになるだろう。抗議、行動、政党、民衆、国家がシナリオを変えない限り…。

多くの人は「政治は私には関係ない」と言うが、その日が来るまで、医師が患者の生死を決めるのは政治的な選択だと気づくことはない。そして今、その日がやって来た。

中央ヨーロッパ、バルカン半島、アフリカ諸国では、医療専門家は長年にわたり、より安全な国に移ってきた。そこでの状況もまた、政治的な選択の結果である。今日、私たちはおそらくこのことをよく理解している。

家にいると、私たちは立ち止まって考える。
そして、行動を起こしたくなる。 今すぐに。

保護主義、環境主義、社会正義、公衆衛生

マクロンの提案に反して、世界が辿ってきた開発モデルを「再検討」することはもはや問題ではない。私たちはすでに、それを変える必要があると知っている。今すぐに。

そして、「我々の保護を他国に委ねるのは愚かなこと」とし、「自由で歪みのない競争」を維持するためだけに存在する戦略的な依存関係を終わらせようではないか。

マクロンは、フランスは「断絶」しなければならないと言っているが、彼は決して決定的な「断絶」はしないだろう。国家主権を犠牲にし、競争を最高の目的としてきた欧州の条約や自由貿易協定を、単に暫定的に「中断」するのではなく、徹底的に非難すべきだ。 今すぐに。

病院の患者やスタッフ、流通、スーパーマーケットの労働者が命をかけて頼りにする何百万ものマスクや医薬品の供給を、世界中に張り巡らされて、在庫ゼロで運営されるサプライチェーンに委ねることのコストを、今では誰もが理解している。

森林破壊、オフショアリング、廃棄物の蓄積、大衆旅行が地球にもたらすコストは誰もが理解している。パリは年間で人口の17倍以上に上る3800万人の観光客を迎え、それを誇りにしている。

保護主義、環境主義、社会正義、公衆衛生が一体となっている。これらは、今すぐに打開策を実行するのに十分な力を持つ反資本主義政治連合の重要な要素である。

『ルモンド・ディプロマティック 仏語版』セルジュ・アリミ
2020年4月号から抜粋して翻訳

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リアルなフランスのコロナ

医療崩壊したフランスは現在世界で4番目に感染者数の多い国となっており、4/29日現在16万5000人以上の感染者、4300人以上の重症者をかかえ、病院や老人ホームで亡くなったトータルの死者数は23660人に上ります。しかしその数字はだいぶ落ち着いてきています。

毎日の死者数フランス
フランスの新規感染者数

ロックダウンが開始された3月17日(火)だけで、Fnac Dartyのウェブサイトでは65,000件のオンライン販売を記録。プリンター、冷凍庫、コンソール、ボードゲーム:これらは「軟禁生活」の中で多くのフランス人にとって必要不可欠な「非必需品」になりました。

Odoxaの調査によると、約45%のフランス人がロックタウンの影響で全く働いておらず、25%が在宅勤務をしていると答え、フランス経済を維持している倉庫作業員や配送ドライバーは、スーパーや薬局などのエッセンシャルワーカーに次いで、最もリスクにさらされた市民の1人です。

マルセイユでは警察がドローンを飛ばして、上空から住民に家で過ごすよう呼びかけています。

「年間で人口の17倍以上の3800万人の観光客を迎え、それを誇りにしているパリ」では、危機的状況に陥っているニューヨークよりも厳しい外出制限が実施されています。

買い物や軽い運動に出かけることはできても、地下鉄や電車で移動できるのは仕事や通院等許可のある人。通りで知人と会話をすることも、日中の運動も禁止され公園は全て封鎖。

しかし、実際にはかなりの人出、買い物客も多く、夕方には散歩やジョギングを楽しむ人たちの姿が見られ、「悲壮感」とは程遠いかもしれません。

マクロンは、失業者への支援をすでに1千億ユーロ(約11兆7500億円)に増額しましたが、それをさらに強化すると発表。ウイルスとの戦いの最前線にいる医療従事者たちには、500から1500ユーロのボーナスが支給されることをエドワール・フィリップ首相が発表。

医療崩壊しない国々

韓国の場合【爆発的な感染拡大を2月に経験】

1万人以上が感染した韓国政府がとった戦略は徹底的な「検査」と「隔離」。韓国では、2015年に感染が拡大して38人が亡くなったMERS(マーズ、中東呼吸器症候群)の経験から、民間企業が開発した検査用の診断キットを緊急事態に備えていち早く承認する制度を導入。

  • 徹底的な検査と隔離
  • 全国の保健所に検査場設置 (国内に581カ所)
  • 車に乗ったまま検査を受けるドライブスルー型、医療従事者の安全に配慮したウォークスルー形も導入
  • 1日あたりの検査実施件数は最大18,000件、総数は480,000件で日本の6倍
  • 医療崩壊は起きていない
  • 監視カメラ、携帯電話、クレジットカードを感染経路の確認と感染の拡大予防に活用

    →携帯電話のGPSとクレジットカードの履歴をもとに、感染経路や感染後の行動を10分で把握
    →感染者の移動データを匿名で公開
    →接触者を監視カメラで確認し、感染者の行動を詳細に緊急速報で市民に届ける
    →地図で確認できるアプリを個人や企業が開発し多くの人が活用。

監視カメラ、携帯電話、クレジットカードを駆使した「デジタル監視政策」について韓国の人々はどう思っているのでしょうか。

ソウル市民の声

  • プライバシーの侵害ではあるけれどこのご時世では行動経路を知らせるのは公共の利益のため。早く知らせる方が良いと思う
  • 検査をして追跡調査から隔離まで全てを徹底して管理統制している。
  • 政府は国民に多くの信頼を与えていると思う

韓国では感染者数や検査数などの確かなデータが毎日公表されたおかげで、状況がひと目でわかることが安心感につながったと言います。

ドイツの場合【低致死率の実現】

致死率が低いドイツの医療態勢とは:
ドイツは100万人あたりの検査数で韓国をさらに上回る。しかし、

  • 致死率: 1.8%(ドイツ) 12.6% (イタリア) 13.2% (フランス)
  • ドイツでは病床に余裕があり病床は半分ぐらいしか埋まっていない」とドイツで働く日本人医師は強調 
  • ICU 集中治療室のベッド数(人口10万人あたり):ドイツは約30床、日本は約5床、イタリアは約12床
  • ドイツはさらに感染者の多いイタリアやフランスから重症患者を受け入れている。

最後に

今回ご紹介したルモンドディプロマティック仏語版の記事は、コロナ後の世界を

  • 来るべき経済革命は自由がさらに制限される世界になる
  • 今すぐに打開策を実行することができるのは保護主義、環境主義、社会正義、公衆衛生が一体となった「反資本主義社会である

と結論付けています。

コロナウィルスについては今なお多くの不明点が残されており、特に未知なのは、治った人には免疫力があるのか、ないのかという問題。

数週間前は、回復した人には免疫力があると信じられていました。
しかし、「コロナウイルスの再活性化現象が起こりうることを示唆する要素が次々と出てきた」ことで、抗体を持つことで感染から保護されるかどうかはわからないといいます。

***

一か月半になる外出禁止生活の中で、私はいま耳で聞く本『オーディオブック』 にはまっています。

日本のオーディブルはフランスでは使えませんが、このオーディオブックは海外在住でも使え、月額¥750で聴き放題(単品も可)。かなりおすすめです

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