少しだけ暑さが落ち着いたパリから、イスラエル・パレスチナ情勢について解説します。
2014年7月30日、パレスチナ自治区ガザでは国連の避難所である小学校がイスラエル軍により攻撃されました。
避難所の小学校が攻撃されたのはこれで2回目。
現地ではパレスチナの子供達をふくむ殺戮が無差別に行われています。
私達は一体どうしたらよいのでしょうか。
【イスラエルの警告】ボイコット:資本引き揚げと制裁措置
アメリカの外交官らは「テルアビブと入植地建設」がもたらした破壊的な影響に対する打開をよそおっている。
しかし経済・文化・政治関係者たちは今、イスラエルの不処罰に意義をとなえて国際法を施行しようとしている。
2013年3月4日、イスラエル首相はアメリカの主な親イスラエル圧力団体、「アメリカ·イスラエル公共問題委員会」(AIPAC)の総会でいつものようにスピーチを行った。
傍聴者たちは
・イスラエルの安全保障・防衛
・シリア、イランの核開発
・パレスチナの交渉担当者に対する要求
といったイスラエル国首相ベンヤミン・ネタニヤフの議題にはほとんど驚いていない。
しかしその日は
・国際キャンペーンのボイコット
・資本引き揚げ
・イスラエルに対する制裁(BDS)
といった新たな議題がスピーチの1/4をしめた。
とくに頭文字(BDS)は18回も引用された。
BDS:ボイコット・不買運動・制裁
BDS(Boycott, Divestment and Sanctions)は、2005年7月に172のパレスチナ人組織により始められた。
このキャンペーンは、イスラエルがパレスチナ人から奪い得ない権利である自己決定権、国際法の完全な尊守とその義務を満たすようになるまで、非暴力制裁措置を取るように求めている。
対策は主に三つ。
・イスラエル機関や経済へのボイコット
・イスラエルへの海外投資撤退
・イスラエル政府及び指導者への制裁
AIPACの総会でネタニヤフはBDSの支持者たちを、「平和に背を向けてパレスチナのポジションを強め、相互譲歩をできなくしようとしている」 と非難。
首相は、キャンペーンへの批判は「イスラエルの経済的繁栄を損なう」として、BDSをさらに否定した。
BDSに注目しながら、キャンペーンを無効だと訴えるのは明らかに矛盾している。
イスラエル当局の大きなジレンマを裏切り、BDSが自国イスラエルに影響をあたえると知ったネタニヤフはこう述べている。
「彼らの活動は失敗するだろうが、積極的に闘うべきではないという事ではない。」
無視する事で彼らが自由に行動する余地を与えれば、それはキャンペーンを応援することになるのだから。
ジュリアン・サラング、2014年6月
(フランス語原文http://www.monde-diplomatique.fr/2014/06/SALINGUE/50475)
【イスラエル・パレスチナ問題】用語解説
AIPAC
AIPACはワシントンの国会議事堂から歩いて数分のビルに事務所をかまえている。
AIPACは、ワシントンで最強のロビー団体であり、イスラエルに有利な動きを促進し、不利な動きをつぶすため、議会や政府に強力に働きかけることを任務としており、実質的にはイスラエルの「第2外務省」の役割を演じている。
http://inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhc512.html
シオニズム / シオニスト
パレスチナに「ユダヤ人だけのため」の民族国家を持つことを至上命題とするユダヤ民族主義。
イスラエル建国の基本理念。その考え方を支持する人をシオニストという。
当初「民なき土地に、土地なき民を」をスローガンとしたが、パレスチナを「民なき土地」にするためには、そこに暮らしている人々を追放する、あるいは殺すことが必要であった。
そして、それは実際に実行された。
ユダヤ人入植地を作るためのパレスチナ人の追放や土地没収、それに抵抗するパレスチナ人の殺害や暴行や逮捕は現在も継続中。
シオニストは、それらに抵抗するパレスチナ人を「テロリスト」として非難することも多い。
http://palestine-heiwa.org/choice/list.html
最後に
イスラエルによる「パレスチナ問題」は今、国際社会で大きな課題となっています。
私たちのほとんどが、いままでパレスチナ問題を知らずに過ごしてきたのではないでしょうか。
なぜユダヤ人は何の制裁も受けずに好き放題することができるのでしょう。
1人でも多くの人が、問題を正しく知る事でしか今の状況を良くすることはできないのではないか、本日はそんな気持ちで執筆しました。
※画像はフランス大西洋岸のビーチリゾート、ビアリッツの海を訪れた時の写真です。
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